若者の7割が大食い動画を視聴、挑戦願望は45%に達する

若者の7割が大食い動画を視聴、挑戦願望は45%に達する

ニュースの概要

ワカモノリサーチが15歳から20歳を対象に行った調査で、大食い動画や大食い番組を「見てしまう」と答えた人は67.4%に上りました。理由には、出演者の気持ちのよい食べっぷりや、最後まで完食できるかを見守るドキドキ感が挙がっています。さらに44.8%は、できれば自分も大食いに挑戦してみたいと答えました。過半数には届いていません。それでも、10代後半から20歳という若い世代の中に、視聴する習慣と参加したい気持ちの両方が、無視できない厚みで存在することが数字から読み取れます。

引用元: 若者の約7割が大食い動画や番組を視聴、約半数が挑戦に関心(Wakamono Research)

分析・見解

見る人の7割という数字が示す、娯楽としての定着度

67.4%という値は、一部の好事家の趣味ではないことを示しています。ここで大切なのは、質問が「見てしまう」という言い方だったことです。能動的に選んで見るのではなく、おすすめ欄やテレビ番組で流れてきたものにつられて見る。その受け身の接触まで含めた数字だと考えるのが自然です。

つまり大食いは、検索して探すジャンルではなく、流れてくる中で目を奪うジャンルです。食べ物は国や言語を問わず伝わります。字幕も説明も要りません。短い動画でも、山盛りの料理と減っていく皿という変化が一目で分かります。この分かりやすさが、短尺動画の時代と相性がよい理由です。

見守る楽しさと食べっぷりの良さが、人気の中身

調査で挙がった魅力は、食べっぷりのよさと、完食できるかを見守る楽しさでした。前者は「見ていて気持ちがよい」という癒やしに近い感情です。後者はスポーツ観戦に似た、結果が分からない緊張感です。

この二つは別物です。たとえば料理番組の「おいしそう」は味への期待ですが、大食いは量と時間という物差しで勝負が決まります。観客は味を知らなくても楽しめます。だから、いわゆる食レポが苦手な人でも参加しやすい。ここに、ほかの食系コンテンツにはない強みがあります。

挑戦したい人が約45%もいる意味

44.8%が自分もやってみたいと答えたことは、視聴の先にある参加の需要を示します。ただし、本気で何キロも食べたいという意味とは限りません。友人と一緒に、デカ盛りメニューに挑む程度の気軽な挑戦が大半だと考えられます。

実際、飲食店の「完食できたら無料」企画や、制限時間つきの大盛りメニューは、写真や動画に残して共有する前提で人気があります。見る側から、撮る側・投稿する側へと動く入口が、すでに市場に用意されているわけです。若年層にとって大食いは、見るだけでなく、体験して発信する素材でもあります。

追い風だけではない、健康と社会の目という壁

一方で、食べ物を大量に残す、あるいは無理に詰め込むことへの批判は、年々強まっています。健康への害もあります。短時間で大量に食べる行為は、胃腸への負担が大きく、真似をした若者が体調を崩す例も報告されています。

視聴者が多いほど、模倣者も増えます。調査の「挑戦してみたい」が約45%だった点は、人気の裏側に潜むリスクの大きさも意味します。盛り上がりを支えるのは、無理をさせない仕組みと、食べ物を大切に扱う姿勢が見える演出です。この両立ができるかどうかが、ジャンルの寿命を決めます。

ビジネスへの影響

飲食店は「完食企画」を撮影される前提で設計する

若年層の挑戦願望が約45%あるなら、大盛りメニューは味の勝負ではなく、体験の勝負になります。制限時間、量、写真映えする盛り付けを明確にし、撮影を歓迎する掲示をしておくだけで、来店の動機が生まれます。

ただし、安全面の備えは必須です。年齢や体調に応じた量の調整、残した場合の扱い、持ち帰りの案内を最初に決めておくと、トラブルが減ります。原価も重要です。物価高の中で量を増やせば利益は削られます。そこで、ご飯やキャベツのような原価の低い部分で見た目の量を稼ぎ、主役の食材は適量にする組み立てが現実的です。

動画事業者は、記録と安全を企画の一部にする

配信者や制作会社にとって、7割という視聴率は大きな市場です。一方で、無理な早食いは広告主に敬遠されやすく、収益化の審査でも不利になります。そこで、食べる量だけでなく、挑戦の過程、準備、体調管理、完食後の食べ物の扱いまで見せる構成が有効です。

見守る楽しさが人気の中心なら、勝敗だけでなく物語を作ることが競争力になります。若年層が真似したくなる内容と、真似しても安全な内容を分けて設計することが、長く続けるための条件です。

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